BIOMIMESYS® 3次元細胞培養技術

BIOMIMESYS®はHCS Pharma社(フランス、以下HCS社)により開発された、理想の生物学的特性を備えた細胞外マトリックス(ECM)を再現可能な3D培養技術です。

BIOMIMESYS®製品は水溶性のヒアルロン酸とその他ECM構成分子(コラーゲン、フィブロネクチンなど)をアジピン酸ジヒドラジド(ADH)で架橋することにより、生体内のECMを再現しています。

細胞外マトリックスにおいて、ヒアルロン酸はその特性を決定づける重要な生体高分子です。グリコサミノグリカン(GAG)の一つであるヒアルロン酸は、強固な重合構造により組織の構造を維持しています。また、ヒアルロン酸は水分子に対して強い親和性をもち吸水性が高く、様々な増殖因子と結合することが可能です。

HCS社は3D培養システムにヒアルロン酸を生体高分子のまま組み込むことに成功しました。ヒアルロン酸が持つすべての特性(構造・細胞接着能・保水性・シグナル伝達など)を保持することができるため、限りなく生体内環境に近いECMを再現可能です。特に、HCS社のBIOMIMESYS® 3Dテクノロジーは親水性でありながら強固な構造をもつという、他社製品にはない2つの特性を併せ持っています。HCS社はこの3D培養システムを「ハイドロスキャフォールド」と名付けました。

臓器によって、ECMの構成成分や組成は異なります。細胞の密度や弾性、多孔率などの調整により、BIOMIMESYS® 3Dテクノロジーは各臓器におけるECM環境の正確な再現を可能にしました。

(BIOMIMESYS®のウェブサイトはこちら)

 

 


製品紹介(ページ内の項目へ飛びます)

BIOMIMESYS® Adipose tissue

BIOMIMESYS® Liver

BIOMIMESYS® Brain

BIOMIMESYS® Oncology


 

BIOMIMESYS® Adipose tissue

BIOMIMESYS® Adipose Tissueは、機能化されたハイドロスキャフォールドであり、Ⅰ型コラーゲン、Ⅵ型コラーゲン、フィブロネクチンの細胞接着部位(RGDS)の構成成分により脂肪組織の細胞外マトリックス(ECM)を再現しています。BIOMIMESYS® Adipose Tissueは誘導性の微細環境を形成し、前駆脂肪細胞の完全な分化を可能にします。前駆脂肪細胞はin vivo環境と同様に円形の脂肪細胞への分化が誘導され、脂肪細胞の脂肪生成および脂肪分解に関わる代表的な調節因子に対して用量応答を示します。

BIOMIMESYS® Adipose Tissueの架橋ヒアルロン酸をベースとした重合構造は、脂肪組織ECMと同様のヤング率(0.5 kPa)を有し、直径70~170 µmの小孔が多数存在します。このためBIOMIMESYS® Adipose Tissueは媒質や栄養成分の循環の妨げにならず、細胞-細胞または細胞-ECMの相互作用により、大型で脆弱な初期脂肪細胞の安定した成熟を可能にします。また、この重合構造はハイドロスキャフォールドの機械的強度も高めているため、容易な取り扱いも可能にしています。

 

BIOMIMESYS® Adipose Tissueは前駆脂肪細胞の脂肪形成において、より多くのマーカー遺伝子の発現を可能にします。

  • ●FABP4などの早期発現遺伝子

●GLUT4などの後期発現遺伝子

 

BIOMIMESYS® Adipose Tissueを用いて培養した脂肪細胞は2D培養よりも分化能が優れており、より多くの脂肪を蓄積することが可能です。

関連資料

BIOMIMESYS® Adipose Tissueテクニカルデータシート

BIOMIMESYS® Adipose Tissueポスター

BIOMIMESYS® Adipose Tissue文献

 

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BIOMIMESYS® Liver

BIOMIMESYS® Liverのハイドロスキャフォールドは肝臓の細胞外マトリックス(ECM)環境を再現するため、フィブロネクチンの細胞接着部位(RGDS)、ガラクトサミン修飾ヒアルロン酸、アジピン酸ジヒドラジド架橋剤、ECM構成コラーゲン(Ⅰ型・Ⅵ型コラーゲン)により構成されています。走査型顕微鏡画像はコラーゲン鎖をもつハイドロスキャッフォールドの生体模倣的構造を示しています。

ECMの特性は、細胞の活性および寿命を決定づける重要な因子の一つです。肝細胞は複雑な細胞外微小環境により維持管理されており、ECMの組成が肝機能の調節機能を大きく左右します。肝臓のECMは大半がコラーゲン、糖タンパク質、グリコサミノグリカン(GAG)で構成されており、それぞれが重要な細胞生理学的機能を有しています。

BIOMIMESYS® Liver ハイドロスキャフォールド

 

BIOMIMESYS® Liver (右) および脱細胞処理された肝臓のECM(左)

ヒアルロン酸(HA)は肝組織の物理的性質に大きく影響を与えるECM構成成分です。HAはECMを湿潤に保つため分子内に水を貯蔵する性質があり、細胞の運動性と遊走性を高める潤滑剤としての機能も持ちます。また、新しい肝組織が作られる際、増殖細胞の活性化を促進するためにHAの存在は欠かせません。これらの特徴に加え、移植時に免疫応答が起きにくい特性から、HAは3D細胞培養やin vivoでの治療に適した基質であるといえます。

物理化学的性質:

BIOMIMESYS® Liverハイドロスキャフォールドは肝組織ECMと同様のヤング率(0.6kPa)を示します。ハイドロスキャッフォールドは有孔性であり、直径60~130 µmの小孔が多数存在します。

スフェロイド形成:

3D培養されたHepG2などの主要なヒト肝細胞と肝癌細胞の培養株は、2D培養よりも長期間生存が可能です。また、サンドウィッチ法による培養においても2D培養と比べて代謝機能をより長い時間維持することが可能です。

 

肝細胞の機能を維持する:毛細胆管形成-HepG2

ActinおよびMRP2の共局在による毛細胆管ネットワークの形成

 

肝臓の代謝機能を維持する:ヒト肝細胞の凍結保存検体

BIOMIMESYS® Liverでは2D培養と比べ、20~30倍のアルブミンが分泌されます。

基底CYP活性は2D培養と3D培養のそれぞれで、培養から7日後に測定されました。

サンドイッチ法による培養では、BIOMIMESYS® Liverでより高い基底CYP活性がみられました。

関連資料

BIOMIMESYS® Liverテクニカルデータシート

BIOMIMESYS® Liverポスター

 

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BIOMIMESYS® Brain

BIOMIMESYS® Brainは神経細胞培養に適した、即時使用可能なヒアルロン酸ハイドロスキャフォールドです。BIOMIMESYS® Brainの独特な重合構造は脳組織の細胞外マトリックス(ECM)構成成分(Ⅳ型コラーゲン・フィブロネクチンの細胞接着部位(RGDS)・陽イオン性生体高分子・ヒアルロン酸)の二重架橋により形成されています。ハイドロスキャフォールドがもつ誘導性の微細環境は、神経細胞の長期培養を可能にしています。

BIOMIMESYS® Brainの架橋ヒアルロン酸をベースにした重合構造は、脳組織ECMと同様にとても低いヤング率(0.1 kPa)を有し、とても柔らかなハイドロスキャッフォールドを形成しています。また、脳の構造特性をより再現するため、BIOMIMESYS® Brainは体積の80%が、直径150±30µmの小孔が形成する多孔性の空洞により占められています。

BIOMIMESYS® Brainは一つ一つの孔の直径が大きいため神経細胞にガス・媒質・栄養を届ける際の妨げにならず、脆弱な神経細胞において効率の良い細胞-細胞および細胞-ECMの相互作用を可能にします。この重合構造はハイドロスキャフォールドの容易な取り扱いに必要な機械的強度も有しています。

BIOMIMESYS® Brain中で培養したドーパミン作動性ニューロン(Luhmes細胞)。(6日、13日、20日後)
緑:beta3-tubulin、青:核(ヘキスト)、スケールバー:200 um

播種された神経細胞はスフェロイドの形で3D培養が可能です。BIOMIMESYS® Brain  を使用することで、2D培養よりも長期間培養を維持することができます。培養6日および13日でスフェロイド内部の神経突起が確認でき、培養20日でスフェロイド間の神経突起が確認できます。

関連資料

BIOMIMESYS® Brain – テクニカルデータシート

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BIOMIMESYS® Oncology

細胞外マトリックス(ECM)は粘弾性をもつ複雑なシステムであり、異なる特性を持つ様々な構成成分(GAG・コラーゲンなど)が繊維状微細構造を形成しています。

ECMの物理化学的特性(組成と構造)は細胞の持つ様々な機能(伸展・遊走・増殖・分化など)を調節する際に重要な役割を果たします。

腫瘍組織の微細環境をより正確に再現するため、HCS社はBIOMIMESYS® Oncologyを開発いたしました。BIOMIMESYS® Oncologyはヒアルロン酸(HA)とⅠ型コラーゲンをアジピン酸ジヒドラジド(ADH)で架橋し構成したECMからなる、相互侵入高分子網目(IPN)ハイドロスキャッフォールドです。

SEMによる観察

HTC-116 Cells – Day 30 – DAPI (blue) MitoTracker (Yellow) Edu (Green) merged colors – 10 deep layers view

 

スフェロイド形成、生存性、細胞増殖

BIOMIMESYS® OncologyのハイドロスキャフォールドはCD44やRHAMMとの細胞結合部位を有し、細胞-ECMおよび細胞-細胞の相互作用を可能にします。

BIOMIMESYS® Oncologyのハイドロスキャフォールドを用いた癌細胞の増殖試験では、培養5日ほどでスフェロイドが形成され始めます。スフェロイドの大きさと形は播種密度、細胞の種類、培養時間により異なり、最長28日間の培養が可能です。

BIOMIMESYS® Oncology中の結腸直腸癌の細胞成長

HT-29 Cells – Day 7 – DAPI (blue) MitoTracker (Yellow)

HTC-116 Cells – Day 15 – DAPI (blue) MitoTracker (Yellow) Edu (Green)

HTC-116 Cells – Day 30 – DAPI (blue) MitoTracker (Yellow) Edu (Green) and merged colors

 

関連資料

BIOMIMESYS® Oncologyテクニカルデータシート

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