ACROBiosystems社 CD20関連商品【HEK293細胞で発現させた全長CD20とナノディスク・DDM】
FACS検証済み・プロトコル提供可
Genentechのチームがサイエンスに投稿した論文「Structure of CD20 in complex with the therapeutic monoclonal antibody RTX」で、抗体医薬品開発においてインタクトなCD20が重要であることが特記されました。チームは複数のRTX(Rituximab)変異体について、OBZ(Obinutuzumab)に匹敵する細胞結合力を持ちながらも、ECL2(extracellular loops 2)の一次エピトープへの結合力はほとんど変わらず、補体依存性細胞傷害(CDC)を誘発する能力はないことを発見しました。これによりECL1/2二次エピトープとFab:Fabの境界面が、RTXの特徴的な結合性質や高いCDC活性に寄与することが確かめられました。
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引用:Lionel Rougé, et al. Structure of CD20 in complex with the therapeutic monoclonal antibody RTX. Science. 2020 |
CD20抗体医薬品の開発を後押しするため、ACROBiosystems社のHEK293細胞由来全長CD20がお客様の注目を集めています。
背景
2019年のAmerican society of hematology (ASH) 61周年会議で、B細胞表面のCD20とT細胞表面のCD3をターゲットとするCD20-TCBのような二重特異性抗体が提示され、その特異性抗体のペアに安全性が認められることや有効性の確かさが臨床研究の中間結果から示されました。
CD20はリンパ腫や白血病、自己免疫疾患の治療用ターゲットとして注目されています。しかし発現量の低さや不安定な生理活性が理由で、抗体医薬品開発やCD20 CAR発現のために活性のあるCD20を市場から探し出すことは非常に困難です。
これらの課題に取り組むため、ACROBiosystems社はHEK293細胞で発現させた高活性な全長・複数回膜貫通CD20タンパク質を開発しました。この活性化型全長CD20タンパク質は大小両方の細胞外ループを持ち、ELISAおよびSPRアッセイにおいて優れた結合親和性をもってRTXおよびOFAと結合します。ACROBiosystems社のCD20タンパク質には他にも、免疫やELISA、SPR、BLI、FACSに適した形の、未コンジュゲートのタンパク質、DDMやナノディスクと合わせたビオチン化タンパク質があります。
関連ページ:ACROBiosystems社 二重特異性抗体のターゲット
関連ページ:ACROBiosystems社のご紹介
異なるタイプのCD20タンパク質
DDM処理したタンパク質
DDMは脂質膜を分解することにより膜タンパク質を膜から分離できます。さらに疎水性の環境を作り、膜タンパク質をの疎水性膜貫通構造を保持・保護します。しかしDDMの使用は細胞膜の構造を傷つけることがあるので、細胞実験には推奨されません。
ナノディスクタンパク質
ナノディスクはリン脂質二重膜と膜足場タンパク質が非共有結合した構造です。膜タンパク質はナノディスクの中に組み込まれ、生理活性を維持します。ナノディスクに組み込まれたCD20タンパク質は細胞実験に向いています。
製品一覧
ACROBiosystems社の新製品であるCD20タンパク質は、完全長で天然のものと同じ構造を持ち、FACS検証では非特異的な結合もなく高い感度を示しました。プロトコルを無料で入手可能です。(株)東京未来スタイルまでお問い合わせください。
カタログ番号 | 製品名 |
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CD0-H52H1 | Human CD20 / MS4A1 Full Length Protein, His Tag (Nanodisc) (HEK293) |
CD0-H52H3 | Human CD20 / MS4A1 Full Length Protein, His Tag (HEK293) (SPR verified) |
CD0-H82E3 | Biotinylated Human CD20 / MS4A1 Full Length Protein, His,Avitag™ (Nanodisc) (HEK293) |
CD0-H82E5 | Biotinylated Human CD20 / MS4A1 Full Length Protein, His,Avitag™ (HEK293) |
製品の特徴
全長CD20タンパク質は大小両方のループ構造を含む完全な構造です。
全長CD20タンパク質は高い生理活性を示します。
A) HEK293 Cell (全長CD20) | ![]() |
B) E.coli (細胞外部分のみ) |
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固定化した2 μg/mL (100 μL/well)のRTXは、Human CD20 Full Length, His Tag, HEK293 (SPR verified) (カタログ番号 CD0-H52H3)と0.4-3 ng/mLの線形範囲で結合しました(DDMとCHS存在下)。 | 固定化した5 μg/mL (100 μL/well)のRTXは、Human CD20, TrxA Tag, His Tag (E.coli)と78-2500 ng/mLの線形範囲で結合しました。 |
全長CD20タンパク質の生理活性をFACS、ELISA、SPRで検証しました。プロトコルの入手が可能です。
FACS
カタログ番号 CD0-H82E3 (HEK293で発現) |
カタログ番号 CD0-H52H1 (HEK293で発現) |
抗CD20キメラ抗原受容体(CAR)発現のFACS分析 | 抗CD20キメラ抗原受容体(CAR)発現のFACS分析 |
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anti-CD20-scFvが遺伝子導入された2×105個のCD20-CAR-293細胞を100 μL(3 μg/mL)のBiotinylated Human CD20 Full Length, His,Avitag (カタログ番号 CD0-H82E3)とネガティブコントロール抗体でそれぞれ染色し、洗浄してPE-SAで処理した後FACSで分析しました。 | anti-CD20-scFvが遺伝子導入された2×105個のCD20-CAR-293細胞を100 μL(3 μg/mL)のHuman CD20 Full Length, His Tag (カタログ番号 CD0-H52H1) とネガティブコントロール抗体でそれぞれ染色し、洗浄してPE抗His抗体で処理した後FACSで分析しました。 |
ELISA
カタログ番号 CD0-H82E3 (HEK293で発現) |
カタログ番号 CD0-H52H1 (HEK293で発現) |
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固定化した5 μg/mL (100 μL/well)のRTXはBiotinylated Human CD20 Full Length, His,Avitag (カタログ番号 CD0-H82E3)と0.008-0.125 μg/mLの線形範囲で結合しました。 | 固定化した2 μg/mL (100 μL/well)のRTXはHuman CD20 Full Length, His Tag (カタログ番号 CD0-H52H1)と1-63 ng/mLの線形範囲で結合しました。 |
カタログ番号 CD0-H82E5 (HEK293で発現) |
カタログ番号 CD0-H82E5 (HEK293で発現) |
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固定化した2 μg/mL (100 μL/well)のRTXはBiotinylated Human CD20 Full Length, His,Avitag (HEK293) (カタログ番号 CD0-H82E5)と4-63 ng/mLの線形範囲で結合しました(DDM、CHS存在下)。 | 固定化した2 μg/mL (100 μL/well)のOFAはBiotinylated Human CD20 Full Length, His,Avitag (HEK293) (カタログ番号 CD0-H82E5)と4-63 ng/mLの線形範囲で結合しました(DDM、CHS存在下)。 |
カタログ番号 CD0-H52H3 (HEK293で発現) |
カタログ番号 CD0-H52H3 (HEK293で発現) |
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固定化した2 μg/mL (100 μL/well)のRTXはHuman CD20 Full Length, His Tag, HEK293 (SPR verified) (カタログ番号 CD0-H52H3)と0.4-3 ng/mLの線形範囲で結合しました(DDM、CHS存在下)。 | 固定化した2 μg/mL (100 μL/well)のOFAはHuman CD20 Full Length, His Tag, HEK293 (SPR verified) (カタログ番号 CD0-H52H3)と0.4-6 ng/mLの線形範囲で結合しました(DDM、CHS存在下)。 |
SPR
カタログ番号 CD0-H82E5 (HEK293で発現) |
カタログ番号 CD0-H52H3 (HEK293で発現) |
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Biotin CAP-Series S Sensor チップに捕捉されたBiotinylated Human CD20, His,Avitag (HEK293) (カタログ番号 CD0-H82E5)はRTXと結合し、SPRで測定された結合定数は1.73 nMでした(DDM、CHS存在下)(Biacore T200)。 | 抗ヒトIgG Fc抗体表面を介してCM5チップに捕捉されたHuman CD20 Full Length, His Tag, HEK293 (SPR verified) (カタログ番号 CD0-H52H3)はRTXと結合し、SPRで測定された結合定数は6.21 nMでした(DDM、CHS存在下)( Biacore 8K)。 |
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